はちみつでアトピー改善?
肌にうすくはちみつを塗るだけでアトピーの症状が改善したという話をよく耳にします。確かにはちみつは肌の水分を逃がさず、空気中からも水分を肌へ集めることという吸湿性があり、肌に潤いを与え保湿してくれますから、はちみつで肌の状態が改善することには納得できます。
それ以外にもはちみつに含まれているビタミンB群が、肌の健康を保つのに一役かっているのではないかと思います。ビタミンB群にはエネルギー代謝を良くしたり、肌荒れを整えたりする作用があるとも言われているので、皮膚の状態を守ってくれることが、アトピーの症状改善につながってくるのかもしれません。
特にビタミンB6は、たんばく質の代謝を促進するために欠かせないビタミンです。皮膚や粘膜をはじめとする多くの体組織や病原菌と闘う抗体や神経伝達物質はたんぱく質から作られています。たんぱく質を分解してアミノ酸にする酵素と、アミノ酸を別のアミノ酸に組み替える酵素の補酵素として、ビタミンB6はその働きを助けます。
たんぱく質のアミノ酸への分解や、別のアミノ酸への合成に支障が出てしまうと、アミノ酸から構成されるたんぱく質も当然影響を受けることになります。そのため、ビタミンB6が不足するとアミノ酸の代謝が滞るため、たんぱく質の働きに悪影響が出てしまいます。そのことが結果的に湿疹や皮膚炎といったアレルギー症状を引き起こすことにつながってくると思われます。
アトピー性皮膚炎の原因とされているのは主に以下の通りです。
体質に関する要因
- アトピー素因
- 皮膚のバリア機能低下
環境に関する要因
- 食物、ダニやほこりやカビなどのアレルゲン(アレルギー症状の原因となる物質)
- 汗、衣類による摩擦、乾燥、ひっかき傷、「洗剤」など日用品、化粧品など
- 寝不足、過労、ストレスなど
それ以外に食物の油がアトピーの原因であるとも言われています(参考 永田良隆『油を断てばアトピーはここまで治る)。永田医師によれば、体内がべっとりと油で汚れていることが、かゆみ、アレルギー、アトピーの根本原因だそうです(主にリノール酸と呼ばれる植物油はかゆみの原因であるため減らす必要がありますが、高脂血症の改善効果があるα‐リノレン酸、DHA、EPAの必須脂肪酸オメガ3は、積極的に摂ることを永田医師は推奨されています)。
はちみつに含まれるビタミンB2には、過剰分泌した皮脂が酸化することで出来る過酸化脂質の分解を促す効果があると言われますし、ビタミンB6も脂質を分解するアミノ酸を生成し、脂肪を減らしてエネルギーに変える効果があるとされています。
アトピーは簡単には治らないとされていますが、症状を改善するのをサポートしてくれる食品として、肌に塗るだけではなく栄養面でもはちみつは役立ってくれそうです。
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